ニューヨーク・レポ
はじめに…(まだ絶賛工事中)
2008年2月1日〜6日までという短い間ですが、個人でニューヨークに行ってきました。初の海外個人旅行なのでもう緊張しっぱなしでしたが、帰ってきてみるともう一度行きたくなるからアラ不思議。
ちなみに私は英会話はで来ませぬ。でもそんなの関係ねぇ!
幼いころからの憧れだし、夢その1だったし、行きたかったんだから仕方がないじゃない?そんなわけで「夢が叶わないのはお前が本気でやろうとしないからだ」とかいう某映画一台詞を思い出し、何とかなるさ精神で行ってまいりました。アレですよ…人間やればなんでもできる。それに誰も助けてくれない個人旅行のほうが学ぶ点も多いものです
やたらと文章多いのは、自分はただ目的地に行くとか名所を訪れるだけじゃなくて、その土地をとにかく歩き回ることのほうが多いのとか、目に映るのが道端のものばかりだから(死)
ところで何で2月などという一番寒い時期にニューヨーク旅行を選んだかって言うと、一番安いからです。 貧乏なんだよ!
さて、どの道今回は独りで行って正解でした。もちろん学ぶ点も多かったというのもありますが、なにより朝から晩まで休まずニューヨークを歩き回っていたので、こればっかりは団体行動では無理。個人的には後2日は欲しかった。
出発〜到着・初日
ということでコンチネンタル航空・成田空港→ニューアーク・リバティ空港行き、飛行時間11時間の旅へ…。
割とまともな機内食やらで特筆することはないのですが、時差のせいで時間の流れが不思議なことになっている。頭の中では夜中でも飛行機の外は昼間。東京とニューヨークの時差は13時間。そもそも日ごろの生活リズムが破綻気味なのでこのくらい何でも…。
到着したのは現地時間のPM4時。外はあいにくの雨。入国審査を終えて生まれて初めての異国の地へ。ニュージャージー州からニューヨークのホテルへ。それにしても何から何まで”でかい”というのが率直な感想。ニュージャージーの港湾地帯も日本とは規模が違う。晴れていれば移動中にハドソン川方向からのマンハッタンを拝めたのですが残念。かろうじて自由の女神が見えた程度。
さて、ニューヨークはマンハッタンに入ったころには外は真っ暗&大雨。
同じ大都市と言えど東京と違って正直薄暗い街。タイムズ・スクウェアのネオンでさえ新宿のそれには今一歩及ばない。だからこそ統一の取れた美しさってものがあるんですけどね。オレンジ色の街頭がなんだかゴシックホラーな世界で、そういやここも西洋文化圏なのよね…と実感。実際ニューヨークから帰ってくると、東京がハイテクな近未来都市に思えるのだから不思議。日本って生活するうえでの利便性という意味では世界最強だと思います。街を行くニューヨークのタクシーの運転の荒っぽさはなかなか怖いですが、個人的には駅前のスクランブル交差点に、赤信号で突っ込んでくる京都の路線バスの強引さのほうが怖かったヨ(→京都「紅楼夢レポ」)
はてさて、外は夜なので何することがないと思いきや、ホテルから程近いニューヨーク近代美術館(MoMA)が金曜日は無料で入れると聞いて俺歓喜!
…MoMAっていうとアレです、モンドリアンとかシャガールとか、美術の資料集などで誰もが見たことがある名画がある場所。夜遅くまであいてたり、ほとんど憩いの場と化している美術館ってのが日本とかなり違う部分。もちろん勉強のために模写するのも写真とりまくるのも可。バルセロナ・チェアーとか、デザイン史語るうえでははずせないような展示品まであって、わたしゃ泣いた。…ついでに外が大雨強風で、ホテルの外で10ドルで買った傘は3分以内に風で破損し違う意味でも泣いた。
1日目
すぐに地下鉄の駅(49st駅)を見つけたのでさっそく利用してみたのはいいものの、やっぱり東京の地下鉄と大分違うのね; その違いは知識では知っていても実際見てみるとカルチャーショックを受ける。誰かが言ってましたよね、道を知っていることと歩くことは違うと。
さっそく乗車に必要なメトロカードを購入し、改札機のカードリーダーに通したものの、「ゆっくり通しやがれ!」ってな表示が出たので、ゆっくりとおしたら「もっと早く通せ!」ってきな表示がでて焦りまくる; いや、スライド式のリーダーってスライドさせるタイミングが難しくて凄く苦手なんですが; 何度か挑戦して「GO」サインがでてようやくホームに入れる。
そして早速乗る電車を間違える('A`)
ぎゃぁぁぁあ! なんかどんどん変なところに連れて行かれる気がするよ!
そう、ここにいるのは、親切で便利で正確な都営地下鉄とか東京メトロ感覚で地下鉄を使おうとした平和ボケ日本人である。ああ、思い出した…Uptown方面と書いてあった; なによりホームが薄暗くて怖いの何の…。そうこうしているうちにクィーンズ(Queens)とかいう単語が車内放送で聞えたので完全に逆歩行に進んでいると察知。なにより車内放送が早口かつ簡潔すぎて何を言っているのかさっぱり分からない;おまけに自分は地下鉄路線図をもってねぇ!
慌てておりたらどこですかここ? 閑散とした住宅地と遠くに見えるマンハッタンのビル群\(^o^)/オワタ折角なのでクィーンズを散策しようと思ったのですが、ニューヨークに来たばっかりでびびってる私は目抜き通りを少々歩いて慌てて引き返すのでした。いや、でも、本当に見知らぬ土地で独りってこわいよあんた?
長いトンネルに痺れを切らし、固有名詞っぽいものが出た直後、わけもわからず適当に降りたら、またとんでもないところに…、
慣れると実は一番使いやすい。タクシーぜんぜん拾えないし; 安全かつ綺麗にはなっているのですが、それでも利用者が少ない=人気のない駅のホームや連絡通路はやっぱり怖い。なんというか…サイレントヒル? よって自己防衛は忘れずに。基本的に北へ向かう電車がUptown方面、南へ向かうのがDowntown方面。駅名は通りの番号順につけられているので、「56th st-Lexington Ave 駅」なら59丁目とレキシントン通りの交差点にある駅と言うことになる。そう、ほぼ碁盤の目で構成されるニューヨークの地図さえ頭に叩き込んでおけばかなり分かりやすい。東京あたりの地下鉄と使い勝手が違うので別物だと思って使ったほうが戸惑わなくてすんだりと…。そのみょうちくりんな駅の構造に俺は泣いた。
ワシントン・スクウェアあたり
適当に降りた駅から適当に歩く私。とりあえず南を目指しているのです。…が、渋谷から代々木まで歩くのとはわけが違うらしい; そうこうしているうちに見覚えのあるゲートが…? あぁ…なるほど、知らない間にワシントン・スクウェア(マンハッタンの南のほうにある公園)まで歩いていたのか。そういや、「タイミング」のPVでビビアンとかがこの場所で踊ってたのは自分が中学生のときの話。歳はとりたくないものである。というのも、自分は現段階では20代前半ですが、すでにジェネレーションギャップを感じ始めているので…。
グリニッジ/ソーホー
あんまり海外のブティックを漁るほどブランド品に興味がない私は、殆ど素通りな地区。10時前なので人通りも少なく店も閉めちゃってますしね。朝の秋葉原のようだ。ついでに、ソーホー自体に行く目的はなく偶然行き着いた感じ。カースト・アイアン建築が多く、繊細ながらもどことなく無骨な町並みがなんともいえない。…まぁ、次があっても後回しにはするんだろうな; 朝っぱら清掃車が出回っていて街中のゴミを清掃しているらしく、ゴミは思っていたほど目立たない。イメージとは違う。偏見って怖いものだね。腹が減ってきた。裏路地はいまだに石畳で舗装というのが驚き。そのガタガタっぷりが歴史を感じます。すんごくバッカーノ!な世界(微妙に場所違うけど)
日本で生活していれば歩行者信号機は青信号が点滅してから赤に変わるのはご存知の通り。ところがこの街の信号機はStopサイン(赤)が点滅してStop(赤)に変わる。コレにははじめ驚きました。さて、ニューヨークをスムーズに歩くのに必須なのが「信号無視」。マンハッタン島は殆どの道路が一方通行(ONE WAY)なので、交差点に立って一方通行の標識を確認後、車さえ来なければ赤信号で渡ってしまっても構わない。慣れるとかなり能率よくマンハッタンを歩けたりと。なにより郷に入れば郷に従えである。ニューヨークのローカルルール。
自分の足で歩くと変なものを見かけるから面白い。
さて、どちらかと言えば建物巡り目的でこの街へきているのでちょっぴり補足。西洋の建物の考え方を整理するうえで重要なのが、西洋は主に「壁を飾る」ということ。これすなわちファサード(いわゆる正面)を重要視するファサーディスムと言う考えで、側面や背面等の見えない部分や屋根は重要じゃない。だから、ニューヨークの建物は通りに面した部分をとにかく意識する。タウンハウスにすらコーニス(後述)を設けて荘厳さを演習するのは、ヨーロッパに対する文化的なコンプレックスの現われと見て過言ではなく…。
装飾は演出だ。むかしむかし、パリやロンドンに劣っていたこの街は、そうまでして一人前の都市としてみてほしかったわけだ。時代ごとに、何を持ってして「近代都市」と判断されるかはバラバラですが…。 ギャング・オブ・ニューヨークなんかを観ると分かりますが、19世紀末のニューヨークなどお世辞でもすばらしい街とは言えない。この国も苦労してここまできている。だからこそ歴史がないなどという台詞は余りにも失礼で私は言えない。
極端にでっぱった部分が…これがコーニスと呼ばれる部分。覚えておくがよろし。古典主義建築最大の特徴は大規模なコーニスや外壁に設けられたオーダー(柱)。そのルーツはなんとギリシャ時代のパルテノン神殿にまでさかのぼる
愛知県の明治村にある戦前の銀行の残骸…(なんとも無残)。上記の特徴を強く現している。こういうのは19世紀〜20世紀初頭に起きた社会現象みたいなものなので、単に和風か?洋風か?では分類はできない。あえていうならアメリカ風な古典様式とでも。
ロウアー・マンハッタン
ドラッグストアで軽食をば…そしてしわだらけの汚い紙幣をつりとして渡されるわけだ。パンか味が濃すぎて逆に腹がいっぱいになるとはね…。繊細な味付けはやっぱり苦手らしい。ペットボトルのコカ・コーラが1.5ドルとは安いと思いきや…街頭で売られているホットドッグの相場が1$〜5$くらいで高いのか安いのか実にいい加減。ちなみに、本場はガチで美味い。屋台ごとに味付けトッピングも大きさも違うので、時期がよければ食べ歩きたかったのですが…寒くて手が麻痺してそれどころではない。コーラでさえ暖かく感じる。さて、「デリ」の使い方はこの時点ではよく分からんのでまた今度…。
ところで、どこの町にも柄の悪いやつはいるもので、店で買い物してたら、チンピラがよってきてですな…「1ドルれ! タトゥー入れてやるぜ!(どう見てもプリント)」としつこく絡まれちゃってもう大変である。「うきゃー! 観光客だからって馬鹿にしやがって! むきー!」 などとは言えなけど「英語できない」といっても聞かないので最終的に出た言葉は「俺は貧乏だ! 金はねぇ!」といってサヨナラさ。1ドル我慢するとさくらサーバーに金が払える(ぁ ちなみに、バッテリーパークや旧WTCが程近く、観光客が多いからか?
強風でマフラーを落とし、地元民に拾ってもらったりと、親切さに泣いた反面、恥ずかしさで死ぬ思い。分からない事だらけなので、最終日まで親切にしてもらったもの。都会特有の空気(互いに無関心だけど実は案外親切な気風)はこの街でも同じ。まわりに多くのかつ自分とは違う人間がひしめ地域の人間のほうが柔軟なのである。
そして念願のWTC…の跡地。
バッテリーパーク
さて、歩きに歩いてようやくマンハッタン島の最南端「バッテリーパーク」へ到達したわけですが…もう疲れた; ロウアー・マンハッタンはニューヨークで一番古く、オランダ領時代の旧ニューアムステルダムもここから北へ発展した。だからこそ開発に開発を重ねてもはやかつての面影はありませんけどね…。観光名所が多いのか、いたるところで日本語が聞こえるんじゃないか! この公園にはリスがいる。
コーヒー片手にガチガチいいながら散策続行中。意地でもその場所に長居したいのは…旅行費の都合。貧乏性でサーセンwなによりこの季節…河から吹き込んでくる風が恐ろしく冷たい。むかーし、自分が上京する前で…お台場のフジテレビとアクアラインの海ほたるに「はとバスツアー」に行ったとき、小雨と強風の中記念写真のために長時間たたされた苦い思い出したよ! ちなみに瀬尾辰也は天候に恵まれない雨男。で2月のニューヨーク地獄である。陽気がよければなぁと何度思ったことか…いや、公園に行くたびにそう思うのです。この街は大変公園が多い。そして、この男は2日後…セントラルパークで凍死寸前になるのでした。
ウォール街
再び北上しウォール街へ…。おなじみ金融街として知られるこの場所。土曜日って事もありますし、シーズンオフで観光客も少ない。しかもこのクソ寒さで誰も家から出ないとなれば、まぁひっそりしているのは言わずもがな…。一度は聞いたことがある場所へ足を運ぶのはやっぱり感動するものです。そして…意外に狭いウォールストリート。そして足はすでに疲労でガタガタ…。何処かで休みたい;
ここにきて、一生のうちに一度は見ておきたい建物を発見。その名もトランプ・ビル(ウォール街40番地ビル)。数年前か…写真を見ながら自分はこの美しさに一目ぼれしたのでした。もう少し離れていると思いきや、自分の好きな建築がこの通り近辺に集中しているという衝撃の事実。地図で見る土地勘など当てにはならない。もっとも、ウォール街近辺の街路は大変古く複雑、ミッドタウンのような碁盤の目にはなってないので混乱はする。
そういえばこの街…やたらとモクモクいっている…。
映画のロケにもよく使われるせいか、どこか見たことがある街角ばかり。
というわけで続く…。